日本車の安全神話はどこへSafety myth

クルマ

自動車は運転手や同乗者を徒歩よりも素早く、公共交通機関よりも柔軟に移動させるという力を持っています。

しかしながら自動車は平時であっても時速40キロ以上、高速走行時には時速100キロ以上という速度を出して走行するのですから、当然ながら相応の安全性能が求められることとなります。

パンフレット・カタログを上質で洗練されたデザインに

日本という国で作られる自動車、いわゆる日本人にとっての「国産車」は、これまで「高い走行性能と安全性能を兼ね備えた優秀な自動車」として認識されていました。

一般的に、アメリカやドイツといったような別の自動車大国で作られるような製品よりも不調が発生しづらく、長く利用していけるというイメージが定着していたのは、疑いようもない事実の一つです。

ただしかし、昨今の状況はそうした「高性能で安全な日本の車」というイメージを、諸手を挙げて賛成できるようなものかと言われれば、疑わしいものがあります。

日本車がかつて持っていた「安全神話」に、世界中から疑惑の視線が投げかけられるようになっているのです。

それを象徴するかのようなニュースとなったのが、2014年末に発生した「タカタ製エアバッグの欠陥」でした。

このエアバッグの欠陥に関連する事故の中でも特に有名なのが2014年11月19日のニュースであり、9月にアメリカのフロリダ州で発生した交通事故による死亡が、タカタ製エアバッグの破裂によるものだと断定されたものです。

これ以外にも米国内で4件の死亡事故がエアバッグの不調に起因するものであるとされ、現在は日産、ホンダ、トヨタ、いすゞ、マツダ、スバルなどの国内有名自動車メーカーの多くの製品が空前絶後の大規模リコールの対象となっています。

また日産は新興国向け低価格ブランドとして、かつて存在していた「ダットサン」ブランドを復活させてインド市場への参入を行いましたが、ここで投入されたダットサン「GO」という車は、衝突テストで衝撃的な結果を残しました。

低価格であるためにエアバッグやABSが搭載されておらず、万が一の衝突時の安全性レベルが星5点を満点とする評価で「大人の場合は星0個、子どもの場合は星2個」という極めて低い評価を得てしまいました。

これはスズキのアルトも同様の評価を得ていましたが、こうしたことが相次いだことによって「安全神話」の現状は強く疑いをもたれるようになっています。

実際のところ、国内の専門家の中には「売上重視の経営が横行するせいで、日本には以前まで出来ていた最高な安全性能を持つ設計が出来ないメーカーが増えている」という評価を持つ人や、「今後十年、二十年のうちに日本車は『安かろう悪かろう』のイメージをもたれる」という厳しい見方をする人も出てきています。

今後日本という国が市場において競争力を持ち続けるには、疑われている安全への考え方を、いかにしてより確かなものにしていくのかが重要になると言って良いでしょう。